着付はプロに頼めばきちんと着せてもらえますが、それでも着せてもらう方がある程度基礎を積んでおけば、もう少し「楽な着こなし」で着せてもらえるはずなのです。多少着崩れてもちゃんと姿良く保っていられるかどうかは、着物を着たときの身のこなし、立ち居振る舞いが「正しい着物生活の基礎」に則っている必要があります。ところがどうも着物を着慣れていない人がたまに着付してもらっても何だかぎこちない。立ち居振る舞いもまるでロボットのようにぎくしゃくしている、という様子をよく見かけますね。あれではせっかくの着付も台無しです。
着付をせっかくしてもらうのですから当然着物についての基礎、和装着こなしの基礎を知っておくのも大切なこと。着物は本来、世界のファッション史上例を見ないほど「リラクゼーション」と「ファッショナブル」が見事に融合された、優れた服飾なのです。上手に着ればこれほどくつろげるファッションもありません。それでいてそのままフォーマルにもなるなんて、実に合理的なものなのです。私たちが先祖から受け継いだこの服飾文化を継承するためにも、着付について学んでおくことは決して無駄ではないでしょう。
着付教室というのがどこの街にもありますね。カルチャーセンターで教えてくれるところもあれば、ちゃんとしたファッション系専門学校が着付講座を開いていることもあります。美容院や呉服店が主催して開く着付教室もありますし、とにかく日本国内ならどこかに必ず、この貴重な伝統文化について伝授してくれるスポットがあるはずなのです。比較的お手軽なレッスン料で、一生ものの着付知識が身につくのですから、これは「おとなのステータス」として着付教室の門を叩いてみるのもいいかもしれませんね。
着付教室の内容は所により様々でしょうが、おおまかなカリキュラムには共通するものがあるはずです。すなわち、和装の基礎知識。これがまず外せません。どのような時・場所でどのような着物を着るか。どのような種類の着物があるのか。揃えるべき小物・履物はどうなっているか。季節の装いの違いはどうか。天候による違いはどうか。和装のときの立ち居振る舞いの基礎知識も欠かせません。せっかく着物を着ても、電車のシートに腰も降ろせないのでは初詣に出かけたらもうぐったり、ということになりかねません。着付教室ではこうした身ごなしも教えてもらえます。
着付教室の最終目的は、自分で着物の装いが出来るところまでもっていくことです。ちょっとした会合などで着物を着る必要が生じたとき、自分で着物を着付して、姿良く調え、用が済んだらきちんと着物を脱いで畳んでしまうことが出来る。そこまで出来て一人前です。ついでに、着物の普段のお手入れについても着付教室では学ぶことになります。着物についての基礎知識を着付教室で学んでおけば、いざ晴れ着を着付してもらうときでもずっとスマートに着せてもらえますし、身ごなしも楽になります。知っておいて絶対損の無い知識です。